高井戸駅徒歩10分 杉並区の住宅街に開院して70年 地域に根付いた歯科医院です

歯科の詰め物が金属アレルギーの原因って本当?

金属アレルギーって?

よく知られるものとしては金属製のアクセサリー,時計バンド,眼鏡フレーム,下着のホックなどが接触した箇所が赤く腫れてかゆくなるという症状だと思います。
これらは接触性皮膚炎と呼ばれ、金属が汗などと反応し一部が溶け出すことで皮膚へのアレルギーを引き起こすものです。

歯科でも歯の詰め物などに厚生労働省が認めている保険適応の金属を使用することがあります。
しかし、一部の方にはアレルギーの症状を出すことがあります。

歯肉炎や舌炎、粘膜の病気の扁平苔癬などは口の中に出る症状です。
しかし問題なのはアレルギー症状がお口とは離れた箇所にも出現するということです。
というのも唾液と反応した金属は吸収され血液に乗って全身に回るからです。

代表的なのは全身のかゆみを引き起こすアトピー性皮膚炎や、手のひらや足の裏の皮が剥ける掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などです。

長いこと皮膚科に通っているけれど原因がわからない、薬を塗っても良くならない。
このような場合は金属アレルギーが原因となっていることがあります。

どうやって治療をするの?

歯科でよく使用される金属の一つに金銀パラジウム合金というものがあります。中身は
金12%
パラジウム20%
銀46%
銅20%
亜鉛、イリジウム、インジウム各2%です。

歯科では他にも銀合金やニッケルクロム合金、コバルトクロム合金、アマルガム、金合金、純チタンなど、詰め物だけではなく、歯の土台や、入れ歯の材料など用途にあわせて様々な金属を使います。

多くは合金ですので様々な金属を混ぜ合わせてあります。

症状の強い方はまず何の金属に対してアレルギー反応を起こすかを調べる必要があります
通院中の皮膚科があれば相談してみると良いと思います。

検査の方法としては皮膚に試薬を塗って反応を見るパッチテストが一般的です。

その結果、歯科用金属の影響が疑われるようであれば金属の除去を行います。
その後、アレルギーの原因とならない材料で新たに治療しなおします。

治療の際の注意

金属を除去する際セメントでしっかりと接着されていると壊して外す必要があります。
その際金属の破片が口の中に飛びますので一時的にアレルギーの症状が強く出ることがあります
この現象が出ることを確認することで金属アレルギーの確定診断となるのですが、ご存知でないと不安になってしまうと思います。

また処置後アレルギーの原因を取り除くとすぐに症状が良くなるわけではありません。
症状の改善を実感するまでには個人差があり、1ヶ月から1年ほど期間がかかります

現在症状のない方へ

アレルギーになる前の処置をおすすめします

冒頭に申し上げた通り、歯科金属は厚生労働省により保険治療で使用することを認められています。
保険でまかなえるようにコストも高すぎず、毒性もなく、強度や耐久度にも一定の信頼があります。

しかしアレルギーとは毒ではないものにでも過剰に反応する状態です。
金属はその性質上、絶対にアレルギーを引き起こさないないものはなく,誰もが金属アレルギーになる可能性があります。

アレルギーはよくコップから水があふれる様子にたとえられます。
昨日まで平気だったものがある日突然アレルギーの原因となりうるのです。

今歯科で多く使われるパラジウムが問題になっています。
海外、特にヨーロッパでは使用されていないそうです。

アレルギーを一度起こしてしまうと体質を元に戻すことはできません。
予防的に金属を使わない治療をすること、今ある金属を除去することは非常に有効な対策です。

 

 

 

参考文献
歯科金属アレルギーの臨床 野村修一、橋本明彦 新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命科学専攻口腔健康科学講座加齢・高齢者歯科学分野、新潟大学医歯学総合病院

出展
クリエイティブコモンズジャパン

ご予約はこちらから TEL 03-3332-5201

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