高井戸駅徒歩10分 杉並区の住宅街に開院して70年 地域に根付いた歯科医院です

フッ素は危険?虫歯予防の為に知ってほしいフッ素のこと PART1

インターネットの検索エンジンで「フッ素」と入力すると予測で「フッ素 危険」と上位に表示されます。

一通り読んでみました。
確かにフッ素に関する研究で使用に反対するものもあるようですが、その信憑性については疑問が残ります。
逆にフッ素を応用して虫歯の発生を抑制した統計の結果などは信憑性の高いものですし、自分はもちろん身近な人にもおすすめしたいものです。
ただどうしても使いたくない方に無理強いするものではありませんし、あくまでも予防なので使わないでも虫歯にならない人もいるでしょう。

前置きが長くなりましたがフッ素を安心して使って頂きたいので今回はフッ素の有効性と安全性についてお話したいと思います。

1.フッ素ってなに?

まずはフッ素といっても化合物としていろいろな形で存在しています。
以前に歯科医院で死亡事故を起こしたのはフッ化水素であり、これはガラスを溶かす劇物です。
歯科の被せものや詰め物を作成する段階(歯科技工)で使用することがありますが、多くの歯科医院ではほとんどの歯科技工は外注で行うのでまず使用することはありません。

虫歯予防で使われるのはフッ化ナトリウムフッ化第1スズモノフルオロリン酸ナトリウムです。
あとから説明しますが摂取の仕方によっては中毒にもなりますが規定量の何十倍も摂取することがなければまず問題ありません。

またフッ素は広く自然界に存在しており摂取をしていない人はいません。
こちらも摂取する量によっては慢性中毒を起こす恐れがありますが日本で普通に生活している限りその可能性は低いでしょう。

2.フッ素の中毒って?

中毒は急性中毒と慢性中毒に分けられます。
ここで問題になるのは一般的に急性中毒のほうになります。

慢性中毒とは日常的に高濃度のフッ素が含まれた水を生活用水として利用していた場合、斑状歯と呼ばれるまだらな歯になったり、骨が固くなる症状が出ることです。
現在の日本では水道法によりフッ素の濃度は定められていますので慢性中毒の可能性はありません。

急性中毒というのはいっぺんに多量のフッ素をとったときに気分が悪くなったり嘔吐したりすることです。

中毒量の基準は元データによって多少異なるのですが日本歯科医師会は公益財団法人日本中毒情報センターのデータを元にしているのでそれにならうと5mg/kgが推定中毒量となります。

例えば左の0.1%フッ化ナトリウム洗口液ならば小学1年生の平均体重20kgであれば220mlが中毒量となります。

ボトル1本が250mlなので全部飲めば流石に危険ということでしょうか。

ちなみに一回の使用量は5mlなのでお子さんが吐き出さず飲んでしまったとしても中毒量の40分の1以下ですので大丈夫ですね。

次に歯磨き粉ですが最近フッ素の量の上限が引き上げられました。市販のもので一番多いのは1450ppmのものとして計算すると約70gが中毒量となります。

70gというと子供用のジェルタイプの歯磨き粉で一回で全部使ってやっと70gという量です。

つまり故意に洗口剤や歯磨き粉を全部飲まない限り中毒なんて起こしませんし、先ほどの中毒量は6歳の平均体重20kgを元に計算しているので体重が増えればさらに大量のフッ素を取らない限り大丈夫です。

安全にフッ素を使用するために以下のことを注意しましょう
・歯磨剤を幼い子どもが使用するときは監督をする
・洗口液、スプレー容器は幼児の手の届く所におかない

ちなみに海外ではフッ化物錠剤を家庭で希釈して使用するのですが、日本ではフッ化物錠剤がないことが中毒例の少ない要因となっています。

3.万が一フッ素による中毒になってしまったら

身近なものでできる応急処置としてはカルシウム含有の飲料(牛乳等)を飲むことが有効とされています。もちろん摂取した量によってはそれだけでは足りず、胃洗浄などが必要となる可能性がありますので緊急で病院へ行きましょう。

 

今回はここまでです!

フッ素に限らず薬剤は多すぎれば毒になることがほとんどです。
でも正しく使えば危険ではありませんので安心して使ってくださいね。

フッ素の予防効果や効果を最大限発揮するための正しい使い方についてはPART2でお話したいと思います。

 

 

ご予約はこちらから TEL 03-3332-5201

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