本当は歯医者さんに行ってもらうのが一番ですが…
都合が付かなかったり休日だったり、すぐにはかかりつけの歯医者さんを受診できないこともありますよね？
そんなときの応急対応を紹介したいと思います。
痛み止めを飲む
まずは痛み止めを飲むことが有効です。ただしあくまでも対処療法の為、可能な限り早く歯医者さんを受診するべきです。
また服用の際は必ず使用上の注意をよく読み、用法用量を守って服用してください。
まずは歯科でよく処方される痛み止め、カロナールとロキソニンについて説明します。
カロナール（アセトアミノフェン）
カロナールは薬局で処方されるお薬で市販薬ではありません。しかし同じ成分のアセトアミノフェンは市販薬で購入が可能です。
効果は後述のロキソニンと比べ弱いと言われていますが副作用が少ないのが特徴です。
市販薬としてはタイレノール（ジョンソン＆ジョンソン）はカロナールと同じアセトアミノフェンのみを有効成分として配合しています。
また他の市販薬もアセトアミノフェンを含むものが多いですが、アセトアミノフェンにエテンザミドとカフェインを加えたACE（エーシーイー）処方で製造されたものや、他の成分を含むものもあります。
カロナール自体は１５歳未満の方でも服用可能ですが用量が異なるため、成人用の市販薬は飲ませないでください。
１５歳以下の方は小児用バファリンが適応です。
ロキソニン（ロキソプロフェンナトリウム）
コマーシャルでおなじみかもしれません。一般薬のロキソニンSは処方薬のロキソニンと同量の成分を含むお薬です。他にもバファリンEXもロキソプロフェンナトリウムを含みます。
アセトアミノフェンに比べ効果が強いので歯科治療でも抜歯の際に処方することもしばしばです。
用法にもありますが１５歳未満の方は服用しないでください。
さらにはアスピリンを主成分とするバファリンAやイブプロフェンを含むイブA錠などその他にも数え切れないくらい市販の痛み止めはたくさんあります。
ただ歯医者さんからすると病状に応じて意図して出す処方薬と異なり、市販薬はその調節ができません。
また痛み止めの代表的な副作用として胃腸が荒れることが良く知られています。
その他にもアスピリン喘息と呼ばれる気管支炎や肝障害、腎障害があります。
さらには長期に使用した場合、薬物乱用頭痛を引き起こすことがあります。
そのようなリスクのある薬なので繰り返しますが、緊急時の対応のみの使用に止め、早めの受診をおすすめします。
塗り薬を塗る
歯茎が腫れている場合、生薬の入った塗り薬を塗ることでいくらか良くなることがあります。
歯を冷やす
虫歯で神経が傷んでいる場合、冷やすと症状が楽になることがあります。
また歯茎が腫れている場合も同様です。
この場合顔を冷やすよりも冷たい水を口に含む方がおすすめです。
冷やしすぎは血行不良を招き、その後の治りが悪くなることもあるので数分程度に止めるようにしましょう。
正露丸を詰める
大幸薬品のホームページによると痛みのある虫歯に適量詰めるという使い方のようです。
正直おすすめはいたしません。比較的痛み止めが手に入れやすくなった現在ではファーストチョイスではないと思います。
休日診療を利用する
祝日などであればお住まいの地域の歯科休日急病診療を利用して応急処置をしてもらうことも有効です。
役所や市区町村のホームページでご確認ください。
杉並区にお住まいの方はこちら→http://ishiguroshika.com/column/link/
早めに治療する意味
「歯を抜いたあとにさし歯にできないんですか？」とたまに聞かれますが、それはできません。
なぜなら根に穴を掘ってそこにさし歯を差し込むからです。
現在の歯科治療の大原則として根を残すことを第一に考えます。
虫歯が小さければそのまま詰める。神経まで侵されてしまえば神経の治療をして根を残す。なので根すらも残らない場合は抜歯するしかないのです。
痛みは身体の出す警告のサインです。
虫歯により神経が痛みを出しても２，３日も我慢できれば神経は死んでしまって痛くなくなります。
その後は痛くないのでさらに虫歯が進行しても平気で抜歯せざる得ないところまで行き着くだけです。
早めに治療することでその場の痛みが取れるだけでなく予後が良くなります。
歯は後回しにしたツケを払うのは誰でもない本人です。早めの受診を強くおすすめします。
