セラミックの歯を入れたらウン十万の治療費がかかったなんて話聞いたことありませんか?
先日もテレビで治療費が何十万もかかると言われたので歯の代わりに消しゴムを挟んで入れているという人がいました。(バラエティー番組でしたのでまだ笑える内容でしたが…実際に自分の患者さんだったらと思うと笑えません)
日本の医療制度上、健康保険適用の治療と自由診療の治療(健康保険が使えない治療)があります。
健康保険適用の場合、治療で使用できる材料や治療の方法が厚生労働省で規定されている代わりに全国一律の費用で治療を受けることができます。
それ以外の治療を受けたい場合は自由診療となります。
自由診療は各医療機関が独自に行う治療であり、その方法や使用できる材料に制限がありません。また医療機関ごとに治療費が異なります。
また健康保険は疾患(病気)を対象に適応となるので、予防や審美性治療(見た目を重視した治療)は自由診療となります。
具体的な費用は?
健康保険適用の治療は自己負担割合が3割(残りの7割は健康保険で支払われるの場合)では概ね以下の自己負担金が発生します。
初診時の検査、指導料 2000~3500円
金属や樹脂の詰め物 1000~2000円
金属や樹脂の被せ物 3000~5000円
歯周病治療(一回) 1000~2000円
神経の治療(初回) 1000~2000円
抜歯(簡単なもの) 1000~2000円
抜歯(埋まっているもの) 3000~4000円
例:検診と歯石除去を希望されて来院。検査の結果、歯石と磨き残しによる歯茎の炎症、一カ所に小さい虫歯が見つかった。当日に歯石除去と虫歯治療を同日に行い、最後にブラッシング指導を行った場合。
初診時の検査2000+歯石除去1000円+樹脂の詰め物1000円
合計4000円が自己負担金となります。
※あくまでも目安です。また状態によって必要な処置は変わります。
※よく初診のご予約の際に「いくらかかりますか?」と聞かれます。申し訳ないですが、実はお口の中を見てみないと正確にお答えできないことが多いです。一番確実なのはお口の中を見てから必要な処置について説明するかと思いますが、その際に聞いて頂くと良いと思います。また続けて通院する場合は次回の費用について大まかにお伝えできるかと思います。詳しくはお問い合わせ下さい。
保険診療と自由診療の違いは?
治療内容によっては自由診療での治療を勧めることがあります。
もちろん保険診療だと雑に行うなんてことはありません。
また保険診療が悪い治療という訳ではありません。
ただ健康保険という縛りが無ければ選択肢が広がります。
より正確に、より綺麗に、より丈夫に、より身体に優しくと考えれば材料や薬剤や治療法の選択肢は多い方が良いに決まっています。
もちろんその結果、健康保険内の治療で充分事足りるということもあります。
また医療は日進月歩です。
最新の治療はすぐには健康保険の適用とはなりません。
少し前までは出来なかった治療が最新の治療であれば可能になることもあります。
一番大切なことは自分で納得して選ぶこと
歯科に限らず、買い物をする時でも、レストランでメニューを選ぶ時でも全てお任せという人はいないと思います。
ましてや自分の身体の一部を治療と称して削ったり抜いたりされるのにお任せなんておかしいですよね。
「インフォームドコンセント」という言葉をご存知でしょうか?
よく「説明と同意」と訳されます。
治療を行う際にはインフォームドコンセントが必須です。
しかし本当に大事なの納得して選ぶことだと思います。
患者さんとしては「この治療しないとダメだよ」と説明されれば同意せざるえないと思います。
しかしどうして治療が必要なのか、
治療しなければどうなってしまうのか、
どのような治療法がありそれぞれのメリット、デメリットはなにか説明されること、
そして説明を受けた上で治療をするのか、しないのか、
治療をするのであればどの治療法を選択するのか、
自分で納得し選択することがインフォームドコンセントの真意であり満足いく治療を受けるために必要なことだと思います。
説明を受ける権利が患者さんにはあります。
治療費だけでなく分からないことや気になることがあれば遠慮せずに聞いてくださいね。