高井戸駅徒歩10分 杉並区の住宅街に開院して70年 地域に根付いた歯科医院です

顎関節症は歯医者さんで治療ができます!

先日「顎関節症はどこの何科に相談すればいいの?」と聞かれました。
実は歯科が正解です。

今回は耳にはするけれども、あまり馴染みのない顎関節症についてまとめてみました。

顎関節症(がくかんせつしょう)とは

口があけづらい、あかない(開口障害)
あごに痛みがある(顎関節痛)
顎から音がする(関節雑音)

などの症状を出す病気です。

統計によると「口を大きく開け閉めしたした時、あごの痛みはありますか?」に「はい」と回答した方は約5%です。※厚労省の歯科疾患実態調査(2007)
また、他の統計では成人の約40%に顎関節になんらかの症状があるという結果も出ています。

原因は様々ですが、日常生活で知らず知らずのうちに負担をかけていることで悪化します。
以下のような生活習慣の方は要注意です!

1.姿勢が悪い、頬杖をつく、足を組む癖がある。
2.うつぶせ寝、または横向き寝だ。
3.噛みあわせが悪い、片噛み癖がある。
4.噛みしめ癖、歯ぎしりがある。
5.硬いものが好きだ。
6.顎に負担のかかる趣味がある。(カラオケや声楽、管楽器やバイオリンの演奏、格闘技、ウエートトレーニング、スキューバダイビングなどのスポーツ)

特に4番は無自覚のことが多く、知らず知らずのうちに顎関節症を悪化させていることがあります。
特に現代人にはなくてはならないパソコンやスマホですが、これらを使用する際に顎を引き、下を向くと相対的に顎が突き上げられ、上下の歯と歯が接触しやすくなります。
実はこれがかなりの負担になります。

常に上下の歯が触れていることをTCH(tooth contacting habit)といい、現在非常に問題視されています。
1日に上下の歯が触れないと生活できない時間は、たった20分以内と考えられています。
それは、食事・嚥下(ツバを呑む瞬間)・発音の時間です。それ以外の時間は、当たらなくても生活に支障はないと考えられています。

小さい頃に口を開けたままでいることは行儀が悪いと指摘された人は多いと思いますが、歯と歯は接触させてはいけません。

当然、歯ぎしりをしていればさらに負担は増えます。
詳しくはこちら→本当に怖い歯ぎしりの話 http://ishiguroshika.com/column/bruxism/

猫背はやめましょう

睡眠時の状況が顎関節症の原因になることもあります

顎関節症の治療法

現在のスタンダードな治療方法は保存療法といって、元に戻れる治療が主流です。
つまり歯を削ったり、外科的な処置をするのではなく、取り外し式のマウスピースを使用したり、マッサージやストレッチといった理学療法的なアプローチをしたり、先述した生活習慣を改善することで症状を改善させるといったものです。

ただし単一の治療法で必ず治るというわけではなく、障害の出ている部位によって有効な治療法は変わりますので一度は歯医者さんで見てもらうことをおすすめします。

ご自宅でできる健康法としては顎に負担をかけないように、生活習慣を振り返ってみることが重要です。
またフランスパンやビーフジャーキー、あぶったイカなどの硬い食べ物を避けること、また大きく口を開けなくても良いように食べ物を小さくして召し上がっていただくことも有効です。

顎関節症と全身の関係

顎関節症で障害が出ている部位で最も多いのはあごの周囲の筋肉と言われています。
実はあごを動かす筋肉は首や肩の血管から栄養をもらっているので、首や肩、さらには背中の筋肉が固まっているとあごの筋肉まで固まってしまいます。
したがってストレッチやマッサージ、さらには針灸治療なども有効です。

またあごを動かす筋肉(閉口筋)に側頭筋という大きな筋肉があります。
こめかみの部分の筋肉なのですがコリが強いと頭痛(筋緊張性頭痛)の原因となります。

ちなみに余談となりますが前述の筋緊張性頭痛と偏頭痛(片頭痛)を混同されることが多いです。
筋緊張性頭痛は筋肉をほぐすことで症状が改善しますので、お風呂で温まったり、ストレッチ、マッサージが有効です。
対して偏頭痛は脳血管の拡張が原因ですので、血流が良くなると悪化します。
また痛み止めの乱用は乱用性頭痛の原因となります。
頭痛でお悩みの方は専門外来の受診をおすすめします。

今回は自宅で簡単にできる首のストレッチとあごの筋肉(咬筋)のマッサージを紹介します。
ただし、首に障害がある方やあごの痛みの強いときは無理に行わないようにしてください。

首のストレッチ

右手を頭の上を通して左耳の上にくるように乗せ、右手の方へ頭をゆっくりと倒します。痛くない程度で止めて10秒キープです。真横だけでなく角度を変えて斜め前に頭を倒すと後頸部の筋肉も伸ばせます。真横と斜め前を1回ずつ、手を入れ替えて左右1回ずつ行います。
次に手のひらを胸の前で合わせ、その手をあご先に押し当て首を後ろに伸ばします。こちらもその体勢を10秒キープします。前頸部の筋肉のストレッチになります。前にも倒すと後頸部の筋肉のストレッチになります。

咬筋マッサージ

顎角部、いわゆるエラの部分を手の平で円を書くようにマッサージします。指先で強く押すと筋肉を傷める恐れがありますので気持ちよい程度で留める方が良いです。

重症化する前に…

顎関節症の中でも関節が変形してしまったり、関節が癒着してしまった場合、外科処置が必要になることがあります。
あごに症状がある方は早めに受診するようにしましょう。

ご予約はこちらから TEL 03-3332-5201

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
PAGETOP
Copyright © 石黒歯科医院 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.